以前、TOSS体育授業研究会の代表 根本正雄先生の運動に関するプロジェクトに
参加していたことがあります。
その中で、根本先生から、幼児期には、基礎感覚作りをしっかりしていくことが望ましい
とのお話がありました。
感覚運動には、基礎(位置)感覚、視覚調整感覚、聴覚調整感覚があります。
視覚調整感覚には、目と手、目と足、目と手足の協応動作を高める運動であり、ボールなげや
なわとびなどの動きが入ります。
聴覚調整感覚には、耳と手、耳と足、耳と手足の協応動作を高める運動で、太鼓に合わせて
スキップするなどの動きが入ります。
特に、大切なのは「基礎(位置)感覚作り」、
①高さ感覚 ②回転感覚 ③振りの感覚 ④平衡(バランス)感覚
⑤逆さ感覚 ⑥腕支持感覚 です。
いきなり、鉄棒で逆上がりや、跳び箱で開脚とびができるものではありません。
これらの感覚が磨かれてこそ、出来るようになるのです。
鉄棒逆上がりでは、特に、①高さ感覚 ②回転感覚 ③振りの感覚 ⑤逆さ感覚、
跳び箱の開脚とびでは、特に、①高さ感覚 ④平衡(バランス)感覚 ⑥腕支持感覚が
必要ですよね。
この感覚が一番伸びるのが、幼児期。
逆上がりや開脚跳びを指導する前の年齢で、遊びを通してこれらの位置感覚を養成していき
ましょう。
それぞれの学年で、園で行っている活動を挙げてみてください。
「ハイハイは、平衡(バランス)感覚・腕支持感覚が入っている!」
「お山でんぐり遊びは、高さ・回転・振り・逆さが入っている!」
鉄棒の逆上がりの前には、お山でんぐり遊びって、大切だ! などと、分析ができるのでは
ないでしょうか。
普段、何気なく遊んでいる滑り台やブランコも実は、感覚作りとして大きな意味を持って
いるのです。
幼児期に筋力や持久力をつける運動をさせても力はつきません。
幼児期に大切なのは、この基礎(位置)感覚作りです。
遊びの中でたくさん磨いてくださいね。(文責:斉藤)