幼児主教材の中には、句読点を入れて、右の文章を左へ移す問題(ステップ5-10)や、
カタカナに直して、右の文章を左へ移す問題(ステップ5-12、13)、
促音を正しく入れて、右の文章を左へ移す問題(ステップ6-5)など、視写が多くでてきます。
視写は、ビジョントレーニングとなり、「見る力」を鍛える訓練になります。
そして、視線をスムーズに動かす力(眼球運動)は、読む力の基礎となります。
その他にもたくさんの効用があります。
①丁寧に書き続ける「集中力・持続力・根気」
②文章を正確に読み取る「注意力」
③書き終えてから見直す「自己省察力」
④見て真似て「字形強化」
⑤読み慣れる・書き慣れる
⑥文の書き方が自然と身につく
⑦視線移動で、解読効果
⑦の解読効果は、指導を段階的に入れていくことが大切です。
子どもたちはどのように書き写していますか。
初めは、1字ずつ写す子どもが多いと思います。
次は、子どもの力量に応じて、文節(意味のまとまり)ごとに視線移動するように促しましょう。
最後は、出来る限り、長く写すように指導していきます。
ただ文章の文字を1文字ずつ書き写すだけだと、指導効果はありません。
しかし、段階を経て、意味をとらえて写すことで、
内容理解が深まり、解読の効果へとつながっていくのです。
そう、視写することは、読むことでもあるのです。
効用に書かせていただきましたように、
脳の活性化とともに、音読、読解、作文を一体的に指導できるのが、
「視写」の良いところなのですね。
ぜひ、ご家庭でも、好きな本、にこりの絵日記、名文などを、原稿用紙に視写をしていくことを
勧めてみてはいかがでしょうか。 (文責:斉藤)