コラム№6 「書き順」が正しく書けるようになるための指導法

 

 

 

よく「書き順が違っている子に、正しい書き順を指導したいのですが、どうしたらいいですか?」と

いうご質問をいただきます。

 

先生方は、書き順の大切さを理解していますが、幼児は、まだ、その大切さには気づいていません。

その上、幼児は、書きたいところから書くという特性があるので、書き順の乱れは先生方にとって

大きな悩みの一つとなります。

書き慣れてくると、自己流に書く子が出てくるので、それもまた、先生方にとっては悩みですよね。

 

書き順は、先人たちが、どうしたら速く正しく美しく書けるだろうかと考え、生まれました。

先人の教え=筆の文化です。

正しい書き順で書くと、運筆に無駄がないので、文字は書きやすく、覚えやすい。

さらに、上から下、左から右、横から縦といった線の流れの原則が生かされ、

文字を整えやすいというのもメリットですね。

その結果、たくさん書いても疲れにくくなります。

 

さて、書き順の指導法です。

まず、大切さを理解していない小さな年齢の幼児へは、文字を書くにも順番があるということを

伝えていきたいものです。

一つの例として、こんな話をしてみてはいかがでしょぅか。

 

「みんなは、洋服を着る時、順番があるよね?パンツ履いて、ズボンを履くでしょう。

ズボンを履いて、パンツを履いたら、おかしいよね。(子ども達は笑います)。

そう、文字にも洋服を着る時と同じように、順番があるのよ。」と話しながら、

文字を書くと、子ども達は、文字を見て、「パンツはどれ?」と一筆目を興味深く聞いてきます。

 

ひらがなは画数が少ないので、一筆目をおさえると、次へと進みやすくなります。

 

一筆目の初めにスタートマーク(赤い点)をつけるのも、効果的です。

 

 

また、書き慣れてきた頃は、「書き順クイズ」と題して、間違えやすい1文字を取り上げ、

ゲーム感覚で行うと、子ども達は集中します。

 

まず、先生が、黒板に、『1 2』と書きます。

「今から、『ま』の文字を書きます。正しい書き順は、1と2のどちらかな?

1だと思ったら、指1本。2だと思ったら、指2本(ピースの形)を出してね。

では、しっかり見ていてね。」

 

(先生は、黒板にゆっくりと、正しい筆順と間違った筆順で「ま」を書く。)

 

「どちらが正しいでしょう?」

 

子ども達にとって、クイズは楽しいものなので、集中して、書き順に意識がいきます。

 

時には、1も2も同じ正しい書き順で書くと、子ども達は戸惑います。

そんな時間も楽しい学習です。

 

反対に、1も2も間違った書き順で示します。

子ども達の反応を見た後に、「誰か前に出てきて、正しい書き順で黒板に書ける子いますか?」

と聞いて、黒板に書いてもらいます。

書く子も見る子もみんな、集中します。

 

そして、最後はみんなで、空書きをして確かめて、終わりです。

 

この方法は、かなり書き順の意識を高めることができます。

書き順で悩まれていらっしゃる先生方、実践してみてくださいね。(文責:斉藤)