発達凸凹や発達障害のある子どもたちへの対応はについて知りたいという先生方!
とても参考になる書籍に出会いました。
その書籍は、小嶋悠紀 著 「特別支援教育 究極の指導システム」(教育技術研究所)です。
特別支援教育に関する研修、講演、教材開発と幅広くご活躍されている先生が書かれた書籍です。
専門書は多く存在しますが、小嶋先生は、小学校教諭でいらっしゃるので、
具体例がとても細かく、わかりやすいのが特徴です。
書籍の中で、フラッシュカードの活動中、騒いでいる子どもの事例がありました。
その事例の前に、ASD傾向の強い子どもたちは、「不安感」を抱えていることが多い。
セロトニン5のスキルが必要と書かれています。
それは、①見つめる ②ほほ笑む ③話しかける ④触れる ⑤ほめる の
5つで構成される脳科学に基づいた先生の関わりスキルなのだそうです。
それを受けて、フラッシュカードの活動中、騒いでいる子どもに対し、
先生が、満面にほほ笑みを浮かべ、子どもを見つめるといった対応をしました。
しかし、その子は騒ぐのをやめない。どうしてかという分析が書かれています。
それは、セロトニン5が必要でない場面で、セロトニン5を行ってしまったからなのだそうです。
問題行動の多くは、「表現形」。
この子は、騒ぐことで「相手にしてほしい」「刺激がほしい」ということを表したのです。
こういうときは、騒いでいる時には反応せず、活動に戻ってきたときに、
反応してほめるという刺激の調整が必要。
しかし、この先生は、刺激を入れてしまったんですね。
子どもからすると、「反応してくれた」ということに脳が嬉しくなって、
もう一度同じ行動をして刺激がほしがるようになってしまったのだそうです。
誤学習が生じてしまったということです。
このような時、
①怒って注意してしまったり、見つめたりしたことがすべて刺激となるため、
騒いでいる子どもには目線を合わせない。
②全体を相手に、フラッシュカードをすすめる。
③その子が一言でもフラッシュカードの言葉を言ったら、セロトニン5の対応で強い刺激を入れる。
騒ぐといった行動では刺激はもらえないけれど、「活動に参加する」という行動では
刺激を返してもらえる……これが、「正学習」となるとのことです。
その他にも、教室を飛び出してしまう子、すぐパニックになってしまう子、こだわりが強い子など、
さまざまな事例に関する対応が書かれています。
ご興味がありましたら、ぜひ! (文責:斉藤)